政治的正しさと力関係

「政治的正しさ」という概念がある。いわく、「ホモ」という呼び方は男性同性愛者への配慮が足りないから政治的に正しくない。一方、「ロリコン」はOK*1
男性同性愛者とロリコン、どこで差がついたのか。「政治的正しさ」は左派の概念である*2。左派は平等を志向するので、強者に厳しく、弱者に優しい*3。この社会には「異性愛>同性愛」という力関係があるので、同性愛者に対しては優しくせねばならない。左派的に考えて。だから「ホモ」という揶揄の色がついた言葉はNG。一方、「大人>子供」という力関係があり、「男>女」という力関係があるので、女の子にはかなり優しくせねばならない。もちろん、女の子を犯したいと思っているような成人男性に配慮する必要などない。だから「ロリコン」はOK。
でも、気になることが色々ある。政治家が「ホモ」という言葉を使うのはNGとして、そこらへんの腐女子淫夢厨が使うのは別にどうでもいいんじゃないか。政治的正しさとは「公人>私人」という力関係を前提するものであって、そこらへんの人にポリコレ棒を振り回すのは言論統制みたいなものじゃないのか。それから、ロリコンは異常者でいいとして、「健常者>異常者」という力関係は考慮しなくていいのか。それから、何が政治的に正しいかを決めるのは政治や倫理を熟知しているインテリの人たちであって、DQNの出る幕はない。また、育ちのいい上流階級の人(はてなに多い)は自然と政治的に正しい振る舞いができるが、育ちの悪い下流階級の人は軽率にホモとか言ってしまう。「高学歴>低学歴」「上流階級>下流階級」という力関係。これは考慮されないのか。それから、政治的正しさはアメリカから輸入されたアメリカ的なものであって、「アメリカ>日本」という力関係を考慮すべきではないのか。「ディズニー映画は政治的に正しい。それに比べて日本のコンテンツは…」みたいなことを言う日本人って名誉アメリカ人じゃないのか。
政治的正しさは用法・用量を守って正しく使うべきだと思います。

*1:市民レベルでは

*2:起源的には

*3:理念上は